不動産競売物件戦略|注目競売物件情報

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  • 2011.4.14

不動産競売|注目物件|東京地裁5月17日開札 白金高輪一棟物

東京地方裁判所本庁、入札期間:平成23年4月26日〜平成23年5月10日、開札期日:平成23年5月17日の注目物件情報です。

東京メトロ南北線・都営地下鉄「白金高輪」駅から徒歩5分圏内にある、港区高輪一丁目の共同住宅に注目しています。


事件番号:平成22年(ケ)第2075号
売却基準価額:162,560,000円
買受申出保証額:32,512,000円 
交通:東京メトロ南北線「白金高輪駅」徒歩約5分
建物種別:一棟物

建物は、鉄筋コンクリート造ルーフィング葺5階建、共同住宅6戸(昭和63年築)です。賃料収入は裁判所の資料によりますと、月額100万円程度(共益費込み)です。しかしながら、所在地が港区高輪一丁目で、地積が311.93平米(約94坪)ですから、土地値だけでも売却基準価格を上回る可能性が高いです。ですから、入札を検討する方も少なくないかもしれません。

この競売物件に入札を検討する方は、権利関係が複雑ですのでご注意ください。具体的には、登記簿上の所有者ではない利害関係人が、所有者から格安で本件土地と建物を取得したとの主張をしています。登記簿上の所有者もその事実を認めていないわけではないようですが、執行官の調査によると「通常の取引による売買であるのか疑問を持たざるを得ない」とのことです。

では、この競売物件の真の所有者は、現在は誰なのでしょう? 不動産に関する物権の変動の対抗要件については、民法177条に定められています。簡単に言いますと、不動産登記法その他登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしていない場合、第三者に対抗することができません。
※法律用語では、「対抗要件の具備」といいます。
ただし、この物件の落札者が、所有権を主張する利害関係人を無視できるわけではありません。

加えて、執行官の記録によると、「所有者代表者が押印した記憶がない賃貸借契約書が作成されていることなどから正常ではない賃貸借契約である可能性が高いものと思われる。」という記載まであります。なんともグレーな競売物件と皆さん思うかもしれませんが、これも不動産競売の世界です。

不動産競売事件といっても、一般的な市民が住宅ローンを返済できずに競売手続きがなされる比較的シンプルな事件もあれば、今回のように実際の所有者は誰なのか確証がとりにくい事件や、執行官の記録には記載されていない事実が発覚して想定外のハプニングに遭遇する事件など千差万別です。

不動産競売においては、指定された期日までに所定の手続きを済ませて最も高い価格で入札を行えば、最高価買受人の資格を得ることができます。ここまでは比較的スムーズに進みますが、その後は、基本的に立退き等に関して裁判所は一切関与せず自己責任になりますので、問題は落札者自身で解決しなければならないのが不動産競売の世界でもあります。