不動産競売物件戦略|注目競売物件情報

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  • 2011.4.19

不動産競売|注目物件|東京地裁5月17日開札 代官山区分マンション

東京地方裁判所本庁、入札期間:平成23年4月26日〜平成23年5月10日、開札期日:平成23年5月17日の注目物件情報です。

東急東横線「代官山」駅の駅前にある築50年物の区分マンションです。

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事件番号:平成22年(ケ)第1889号
売却基準価額:12,800,000円
買受申出保証額:2,560,000円 
交通:東急東横線「代官山駅」徒歩約0分
建物種別:区分マンション

「代官山東急アパートメントアネックス」といえば、知っている人は知っている代官山駅目の前のヴィンテージマンションです。事務所としても居住としても使っている方がいるようです。

今回、訳があってこの区分マンションに注目しています。

この競売物件は、建物のみとなります。土地の権利はありません(ただし地代は無料)。

裁判所が公開している記録によると、現所有者は、駐車場2台分(合計:68,250円/月)も含めた毎月の管理費等を滞納しています。したがって、基本的に落札者(新所有者)が負担することになる管理費等の滞納額が遅延損害金も含めて百万円単位になるかもしれません。

一般的に、どの程度滞納しているかについては、マンションの管理人さんに尋ねても教えてくれません(簡単に教えてしまう管理人さんでは別な意味で心配になります)ので、不動産競売でこの区分マンションを購入する場合は滞納分の金額も考慮しなければいけません。

さらに、これだけ築年数が経過している物件のわりに部屋数が多くない(総戸数:20戸)ので、大規模修繕を行うための修繕積立金が潤沢に蓄えられているかどうか疑わしいです。ですから、めでたく落札できたとしても、規定の管理費等の他に想定外の多額な出費を余儀なくされるリスクを負うことになります。


この競売物件を落札した場合、落札代金+税金+諸費用の他に、

・滞納分の管理費等+遅延損害金(場合によっては百万円単位)
・落札して所有権移転後、近い将来大規模修繕をするための追加費用

を落札者は負担する可能性があることになります。


ところで、執行官の意見として、「管理会社の担当者に確認したところ、管理費等の遅延損害金については管理規約上年利18%の定めがあるとのことである。」と裁判所の記録に記載されています。

消費者契約法第9条第二項において、その上限が年利14.6%となっておりそれを超える部分は無効であると定められていることを引用して、「落札者(新所有者)が、前所有者の滞納管理費等に係る年利18%の遅延損害金を負担するのは問題ではないか」と異議を唱える区分マンション競売物件の落札者が増えていることも影響があるかもしれません。

消費者契約法における「消費者契約」は、第2条に規定されている通り、「消費者と事業者との間で締結される契約」です。そもそも消費者契約法とは、第1条に規定されている通り、「消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差」をかんがみ、対等ではない契約当事者間において締結される契約について規定するものです。

しかし、マンションの管理規約は区分マンションの所有者同士という対等な当事者により構成された団体の自治規範ですから、仮に管理費等の遅延損害金が年18%と定められていても、民法90条に規定されている公序良俗に反すると認めるべき事項には相当しないと思われますので、本件においては消費者契約法第9条第二項は適用外でしょう。


今、代官山はいくつかの再開発プロジェクトが進んでいて、不景気な中でも建設ラッシュが続いています。新築マンションはもちろん、TSUTAYA(CCC)が進める代官山プロジェクトなどもあり、ここ数年で街並が再構築され、価値も見直されるかもしれません。もともと、アパレルやカフェと下町にあるような古いマンションが共存している街ですので、今回のような古いマンションも珍しくなく、室内をリノベーションして住んでいる方も多くみられます。

この物件はある程度の問題はありそうですが、広さと立地、競争率などを考慮すると、入札を考えてもいいかもしれませんね。