不動産競売物件戦略|不動産競売コラム

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  • 2011.5. 6

不動産競売での立退き交渉の現場

不動産競売物件を落札した後の、「立退き交渉」で実際にあった話をいくつか紹介いたします。

前回のコラムで、手持ちのお金があって、手順さえ覚えれば競売入札代行業者に頼むこともなく、誰でも入札&落札することが可能ではあるものの、落札後の立退き交渉(明渡し交渉)が一番の問題であることを記載しました。

では、落札後に現場では一体どのようなことが起こっているのでしょうか?

競売物件落札後、占有者がすんなりと出て行く場合、何かしらの金銭を要求してくる場合など、ある程度は入札前の段階で予測はつきますが、直接占有者と会ってみないと分からないことも多いです。相手がどうであれ、一度冷静に話を聞く必要があります。

以前、一棟物競売不動産の入札代行から立退き交渉までをお客様からご依頼いただいたとき現場で立退き交渉を始めると、

「日本刀で切りつけるぞ!」と、目の前で凄まれ、
「XX銀行の入口で、自殺してやる!」と叫ばれました。

どうにか落ちつかせて話を聞くと、借入当時の銀行支店長にだまされたということを訴えていました。真偽のほどはわかりませんが、平成元年前後のバブル時期(いわゆる「平成バブル」)であれば、そういったことは起こっていても不思議ではないです。


また別の案件で、

ゴルフ場を開発するための会員権をバンバン売りに出して資金を集め、その会員権を担保に、金融機関もじゃぶじゃぶ融資していた時期、平成バブルの崩壊とともに共同担保になっていた駅近の一棟物不動産が差し押さえになった例があります。そして競売が執行されたオーナーに対して、競売を申し立てた金融機関の担当者が借入金の返済を迫った現場に立ち会ったことがあります。

オーナーは言いました。
「あなたたちが子どもの頃から、おたくの銀行とは長年いろいろと付き合ってきたんだ・・・。」


不動産競売で第三者に落札された人にとって、そこに至るプロセスは紆余曲折あり、当事者でなければ分かりません。

・ご主人が突然病気になり家族の収入がほとんどなくなった
・親友の保証人になったために、親友が返済できなくなった多額の借金を抱えてしまった
・親が突然亡くなり、相続税の支払いができなくなった

など、予期せぬ場合もあります。

理由はどうあれすんなり立退きたくない気持ちになることは、相手の立場にたって冷静に考えればわかりますよね。中には、思い詰めてしまい、命を絶ってしまうようなニュースもあります。落札した物件の中で自殺してしまった... という話が現実にあるのです。

不動産競売物件を落札できたからといって、その権利だけを主張して立退きを迫ると、結果的にご自身に不利益が降りかかるかもしれませんのでご注意ください。