不動産投資ガイド|不動産競売で考える不動産投資

不動産競売で考える不動産投資
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  • 2011.6. 2

第一回|いち早く競売情報を入手する

不動産競売で投資を考える場合、任意売却であっても一般競争入札であってもいち早く情報を入手した方が有利に事が進みます。

大抵の投資家は、不動産競売での不動産投資は好まないと思います。しかし、現在の東京を中心とした一般の一棟物市場は、魅力的な物件が出回ってはいません。ですから、当社としては、自社で投資するにせよ、お客様に仲介するにせよ、一般市場よりは不動産競売物件の方が比較的魅力的だと考えています。


不動産競売が執行された不動産を購入するには、大きくわけて次の2通りの方法があります。

1.一般競争入札開札日の前日までに水面下で債権者及び債務者と交渉し債権者に競売を取り下げてもらい、任意売却で購入する。

2.一般競争入札により購入する。



一般競争入札になると、ある程度の落札価格の予測はできても、飛びぬけて高額な入札をする人もいるので、必ず落札できるとは限りません。他の人がいくらで入札しているのかは解りませんので、一発勝負になってしまいます。ですから良質な一棟物競売物件であればあるほど、任意売却で確実に入手したいところです。当社でも「ここぞ!」という一棟物競売物件については水面下で交渉をし、任意売却で購入してきました。しかし、どうしても折り合いがつかない場合は一般競争入札で勝負することになります。

任意売却、一般競争入札、どちらで購入するにせよ、全ての始まりは、いち早く競売物件情報を入手することになります。できるだけ早く情報を入手できれば、任意売却の検討・交渉時間をそれだけ多くとることができるからです。仮に、任意売却が成立せずに一般競争入札になったとしても、事前に金融機関からどのくらいの融資を受けることができるかなどの相談時間も多くとることができます。一棟物の場合、投資金額が億単位、場合によっては数十億円単位になるのに、基本的に内部を確認できない一棟物競売物件なので、少しでも購入するための検討時間を多くとりたいものです。

通常、不動産競売が執行されると6ヶ月前後でインターネット等で公告、BIT(http://bit.sikkou.jp/)に掲載されます。BITに掲載される資料を裁判所が作成するためには、基本的に全ての入居者についての現況を調査する必要があります。必ずしも裁判所の現場調査に協力的な入居者ばかりではありませんので、部屋数の多い賃貸マンション一棟物であれば調査に手間取り、BITへの掲載日(公告日)がさらに数ヶ月遅れる場合があります。

私たち含めて不動産競売物件を扱っている業者は、BIT掲載前に「配当要求の終期等の公告」という情報を入手しています。例えば東京地裁本庁の競売物件であれば、東京地裁民事執行センターの1階にファイルされているので、誰でも閲覧できます(昼休みの時間は入室できませんのでご注意ください)。ファイルを広げて、ハンディスキャナを動かし続けている人は、この情報を有料で販売している会社であることが多いです。業者や投資家に向けてこの情報を有料で配信している会社もあるのです。しかし、毎日良質な一棟物が公告されるわけではなく、他より一日でも早くこの公告情報を入手しなければ競争に負けてしまう(任意売却できなくなる)ということはありませんので、一週間に一度程度この情報を入手できれば十分に対応できます。

ここで注意すべき点としては、「配当要求の終期等の公告」に掲載されている情報は、BITで掲載される資料の物件目録程度でしかないということです。もし、登記簿上の地番と住居表示が異なれば、グーグルマップなどで物件を探そうとしても、違う物件が検索されます。また、この物件の債権者情報は掲載されていませんし、現所有者(債務者)名は掲載されていることは多いですが、どこに住んでいるかまでは掲載されていません。特に、一棟物の場合はその物件に住んでいないことが多いので、任意売却の交渉は債務者を探すところから始まります。

思い違いしている方も多いですが、競売になったとしても、任意売却で不動産を購入する場合は債権者の合意だけでは購入できません。任意売却とは売主と買主の合意に基づく不動産売買契約を締結するのであって、裁判所の力を借りて(いわば国家権力により)一般競争入札で購入するのとは異なります。ですから、任意売却で購入するためには、必ず債務者(売主)の合意が必要になります。不動産競売が執行されたからといって、債務者に対して横柄な態度で交渉すると、任意売却できなくなるので気をつけてください。購入希望者は短時間で、債権者、債務者と信頼関係を築き、双方が納得する落としどころを見つけなければならないので、任意売却では特に交渉時間が重要になってきます。

このように任意売却の為の交渉、事前の物件調査、金融機関との融資の交渉など不動産購入における事前準備にはやらなくてはいけないことが多くあるので、いち早く不動産競売情報を入手し、即行動することが求められるのです。

次回は、「配当要求の終期等の公告」から得られた競売物件情報から、競売物件や債権者並びに債務者の情報を特定する方法などについて記載します。