不動産投資ガイド|不動産競売で考える不動産投資

不動産競売で考える不動産投資
  • 不動産投資ガイド
  • 不動産競売で考える不動産投資
  • 2011.11.25

第七回|任意売却で購入するか、入札で勝負するか見極める

BITで公告され、購入を考えていた一棟物競売物件情報が市場に知れ渡る頃には、任意売却で購入するか、入札で勝負するか見極める必要があります。この頃には、債務者や債権者が納得するような任意売却の条件が整うかどうか、おおよそ察しがつきます。また、場合によっては複数の債権者が競売を取り下げ、任意売却で購入できる可能性のある投資家はほぼ絞られているものです。

 
競売の取り下げは開札日の直前まで可能です。BITで公告される前から情報を持っている投資家であれば、任意売却交渉を依頼しているエージェントや金融機関等とぎりぎりまで情報交換をすることになります。一方、情報を持ってない投資家は、よほどの資金力がある場合を除き、へたに任意売却へと動くよりは、一般競争入札で購入できる可能性に時間を費やすべきです。また、競売取り下げの可能性が極めてゼロに近いことが分かっている場合も、一般競争入札に重点を置いて入札価格の選定に時間を費やすのが得策です。
 
任意売却を行うには、事前に正確な情報を入手し、その見極めが必要になります。
任意売却が成立しずらい主な理由としては、
 
・債務者が不動産を売りたくない。競売で落札されたらされたで考えるという場合
・落札されて立ち退くくらいであれば、不動産と心中すると思い詰めている場合
・債権者が複数いて、任意売却での購入価格と手数料の配当金額に対して合意しない場合
 
その他競売事件ごとに理由は様々ですが、当社のようなエージェントは、任意売却を依頼された場合、事前にできるだけ多くの情報を収集し、可能性があるアプローチの方法で交渉を始めます。しかし、これにはかなりの労力と交渉力、時間が必要とされ、結果的に全くの無駄足になることも多々あるのです。
 
では、任意売却が成立せず、一般競争入札に突入した場合はというと、多くの投資家にとって問題となるのが、数千万円から億単位の現金が必要となる入札時の保証金が準備できるかどうかという点です。
 
例えば、
 
・売却基準価格:3億円 
・満室時の想定年間賃料収入:5千万円(毎月の諸経費や固定資産税の支払前)
・入札時の保証金:6千万円(売却基準価格の2割)
・想定落札価格:5億円(表面利回り:10%)
 
投資家の資産状況にもよりますが、任意売却の場合、購入価格の1割程度の自己資金(現金)を投下すればよいので、一般競争入札の場合も同様の額の自己資金は必要になります。ただし、任意売却で投資家が殺到するような一棟物の場合は、落札価格も高額になります。表面利回りが8%程度まで落ちてしまうと、落札価格が6億2,500万円にまで引きあがる可能性も出てきます。この落札価格の見極めこそが、一般競争入札で勝負するかどうかの決定的な要素になります。
 
想定落札価格の決定プロセスは、
 
・購入したい競売物件の種別(ビル/共同住宅/倉庫/病院等)
・競売事件内容の分析結果(収益性・立地条件・権利関係等)
・経済動向や不動産市場の活性状況
・金融機関の動向(積極的に一棟物に融資するかどうか)
・事件のにおい(定性データ)
・高額で入札しそうな他の投資家情報
 
を総合的に判定していきます。一般競争入札では、物件を取りたい価格と取れる価格を算出し、最終的に自分の入札価格を決定していきます。そのプロセスと決断は非常に難しい作業で、最終的には運も必要となっています。
 
結果的に、
 
◎任意売却 → 確実に購入できるかもしれないが、購入価格が高額になる可能性が高い
◎一般競争入札 → 確実に購入(落札)できる保証はないが、安く購入できる可能性が高い
 
いずれを選択するかどうかは、債務者と債権者と密接に交渉している私たちのような任意売却エージェントを活用し、しっかりと打ち合わせした上で決定した方が、より納得のいく一棟物競売物件への投資プロセスになると、私たちは確信しています。