不動産投資ガイド|不動産競売で考える不動産投資

不動産競売で考える不動産投資
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  • 2011.10.24

第六回|金融機関に競合投資家より優先して検討してもらうためのポイント

一棟物の良質な競売物件は、必ずといって良いほど競合となる投資家が存在します。同じ金融機関の同じ支店へは、数件の購入希望の打診があるものです。激しい競争の中、金融機関にこちらを優先的に検討してもらうためのポイントをまとめてみました。

 
売却基準価格が億単位の一棟物競売物件は、入札時に買受申出保証額(入札保証金)が数千万円から数億円必要になります。入札保証金の納付は、融資実行前ですので、多くの場合、投資家の手持ちの現金で納付することになります。したがって、日頃からその資金準備ができていないと金融機関担当者はまず相手にしてくれません。また、人気のある物件は競合する投資家も多く、同じ金融機関において同じ物件の融資相談を同じ担当者にしていることもあるのです。
 
では、融資担当者は投資家のどこを見ているのでしょうか。
融資へと導くプレゼンの方法も重要ですが、その前にいくつかのポイントを抑えていないと優位に話を進める事はできません。以下、そのポイントをまとめてみましたので参考にしてみてください。
 


ポイント1:資産や収入に問題がないかどうか
 
任意売却であれば自己資金、一般競争入札であれば入札保証金を現金で準備可能な法人あるいは個人富裕層が競合になってきます。一般競争入札の場合、自己資金に相当するのが入札保証金と考えてもよいでしょう。
 
例えば、
売却基準価格:2億円
入札保証金:4千万円
の一棟物競売物件(共同住宅)の想定落札価格が4億円だったとしましょう。
 
想定落札価格に対して、自己資金に相当する入札保証金の割合が1割(10%)になります。
金融機関側の立場に立てば、日頃からこのくらいの自己資金を準備している本気の投資家でなければ、融資の相談を受けるだけ時間の無駄であり、別の投資家への融資を検討するということになります。優良な物件情報だけを持っていっても投資家本人にその資質や準備がなければ融資担当者も取り合ってくれません。
 

ポイント2最高価で入札しそうか
 
金融機関に相談にいくと、何気なく会話している中で任意売却価格(入札価格)を導きだすような質問を受けるものです。金融機関は融資を行いたい投資家の本命を探しています。金融機関には守秘義務が課せられていますから、任意売却価格を聞き出しても他に漏らすことは基本的にないです(あっては困りますね)。その上で、短い会話の中でこちら側が考えている任意売却価格をどのように表現するかで、融資可能かどうか決まってくると思います。提示価格が高すぎても安すぎても見る目がないということになりますので、会話の流れを読みながら、適正かつ可能性のある価格を提示していく必要があります。このノウハウは、一日にして成らずです。交渉に長けたプロに任せるのが一番かもしれません。
 

ポイント3:物件本体、対象エリア、経済状況を理解しているか
 
金融機関は、競売物件のリスクを回避することができる投資家に融資したいと思うでしょう。
 
(1)レントロールがいい加減
(2)書類上存在するはずの入居者が存在しているかどうか怪しい
(3)賃料を滞納する入居者が多い
(4)建物図面がない
(5)建物の維持管理を全くしていない
 
というような、競売物件によくある問題をクリアしているか、その解決プランを持っているか、安心して融資できる投資家かどうかを金融機関は見ています。一棟物競売物件の購入に実績がある投資家で、現状を把握し、運営のプランをきちんと立てている投資家であれば、金融機関は積極的に融資の相談に乗ってくれるでしょう。
 

ポイント4債務者と直接交渉しているエージェントに依頼している
 
金融機関からみて、任意売却であれ一般競争入札であれ、本当に購入(落札)できるかどうかを重視ししています。不確定な話や根拠のない任意売却話が飛び交うことの多いのも、競売物件の特徴の一つです。ピンポイントで現状を把握しているエージェントの情報であれば、金融機関は前向きに相談に乗ってくれる可能性が高いです。エージェントに依頼している投資家の資産状況等に問題がなければ、真剣に相談にのってくれます。
 
特に、一棟物競売物件の場合は、一般競争入札開始後開札日直前まで任意売却交渉が行われるものです。一般競争入札になるのか、任意売却で競売が取下げになるのかは、投資家側だけでなく、億単位の融資ノルマを持っている金融機関から見ても最も重要な情報の一つになります。情報を持っているエージェントにを味方につけるということは金融機関、投資家双方にとっても重要なキーになります。
 

ポイント5:債務者から依頼を受けて任意売却をまとめようとしているエージェントに依頼している
 
競売が執行された債務者から直接依頼を受けて、第三者に競売物件を購入してもらい任意売却を成立させようとしているエージェントが存在する場合、金融機関は相談にのらないわけにはいかないでしょう。ただし、債務者のエージェントが、競売や交渉に長けているとは限りません。債務者のエージェントであっても、不動産業者免許すらない場合もあります。昔と違っていわゆる「反社会的勢力」が堂々と登場することは減ってきてはいるとは思いますが、無茶な交渉をするエージェントもまだまだ存在しています。
 
 
ポイント6:金融機関が懇意にしているエージェントに依頼している
 
金融機関の支店長やその右腕となるような担当者が、さまざまな融資案件に取り組み際に手足となって情報を集めてくれたり、セカンド・オピニオンを提示してくれるようなエージェントの存在は、金融機関からみて非常にありがたいものです。金融機関から見て、貴重な情報を提示してくれるエージェントから、一棟物競売物件購入の相談を受ければ、金融機関側はまず間違いなく親身になって相談にのってくれるでしょ う。
 
 

金融機関は、資産や収入が一番の判断材料になることは確かなのですが、融資希望者の資産、収入、実績、人柄(信用)をトータルで判断し、優先的に融資相談に取り組むかどうかを判断すると思います。そういった理想の投資家像に合致するように、日頃から金融機関と良好なお付き合いを継続することが肝心です。