不動産投資ガイド|不動産競売で考える不動産投資

不動産競売で考える不動産投資
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  • 2011.9.22

第五回|競売物件に融資可能か金融機関と交渉する上での問題

私たちが懇意にしている金融機関の担当者であれば、競売物件といっても融資相談に難色を示すということはまずありません。ところが、そのような金融機関との付き合いがない場合や金融機関担当者が競売物件に不慣れな場合は、落札できるかわからない競売物件について、時間を割いてまで融資を検討してくれるのでしょうか。

  
不動産競売物件購入に関して、
 
「金融機関の融資は使えないのですよね?」
 
というご質問を度々いただきます。
大抵の場合は、一般競争入札で購入するお客様のご質問です。
 
既に何棟か一棟物不動産をご所有の方であっても、金融機関に相談すると良い返事をもらえないことがあるようですが、基本的には不動産競売物件であっても融資を使うことはできます。
 
ただ、金融機関の融資担当者が競売物件、特に一棟物競売物件の融資を担当した経験がなければ、どうしても消極的になってしまうでしょう。
 
消極的になってしまういくつかの理由を解説していこうと思います。
 
 
金融機関が競売物件に消極的な理由1:本当に購入できるのか未知数。
 
融資ノルマのある金融機関担当者にとって、購入できるかわからない競売物件に時間を割くだけの見返りが担当者自身にあるかどうかが最も大きい理由だと思われます。一般競争入札の競売物件は融資相談を受けても空振りに終わってしまう可能性が非常に高いからです。
 
また、任意売却で購入する場合でも、多額の税金滞納による差押えも付いていたり、多額の抵当権等が付いている案件が多いので、売主が言っている売買価格で抵当権等が抹消できない可能性もあります。金融機関側からすれば、融資案件を検討するだけ時間の無駄ということになります。
 
一般競争入札で一棟物を購入する相談の場合は一番敬遠されるかもしれません。
 
「物件を落札してから相談に来てください」と担当者が言い、
「落札後、融資が付かなければ入札保証金(2割金)が没収になるから事前に相談に来ているのです!」と投資家が言う。
 
実にその通りなのですが、だからといって金融機関側に怒りをぶつけてはいけません。金融機関側の立場に立って考える冷静さを持っていないと、一棟物投資家として不動産経営をする資質が疑われるだけでなく、要注意人物としてマークされてしまう可能性もあります。金融機関を味方に付けなければ前には進めないのです。
 
 
この問題についての解決策は、
 
一棟物競売物件を購入した実績を持っていて、金融機関からも信頼を置かれている不動産エージェントに相談することだと思います。賢い投資家は、上手にエージェントと付き合い、彼らの能力を最大限引き出します。手数料は不動産投資事業のさらなる拡大のための経費の一つと割り切り、不動産事業経営者としてエージェントの力を上手に活用しましょう。
 
「不動産投資」→「レバレッジ」
 
と言われていますが、その意味が分かる投資家さんであれば、不動産エージェントをまさに「てこの原理」として活用することを惜しむべきではないことはお分かりになると思います。
 
 
金融機関が競売物件に消極的な理由2:競売物件は怖い!
 
競売物件の融資に関わった経験がない金融機関担当者であっても、競売物件に不慣れな投資家が競売物件に手を出すと痛い目にあうリスクについては理解していると思います。融資を受けたい一棟物競売物件について、無理にリスクが少ない話をすると、かえって金融機関側はその案件と投資家に対して疑念を抱くものです。
 
始めから「この点に、この程度のリスクがある案件ですが、どう思われますか?」
 
と金融機関側に相談する方が良いです。金融機関側は、投資家側が考えるより聡明であり、リスク分析力に優れているという前提で、リスク及びそのリスクを回避の方法、あるいはそのリスクを取っても購入に踏み切るべきメリットについて、丁寧に説明すべきです。
 
具体的には、以下の3点については必ず説明しましょう。
 
1|購入できないリスク
融資が失敗に終わらないように任意売却、一般競争入札で購入できる可能性
 
建物本体のリスク
所有者の資金がショートしているので、建物の状態が悪い可能性
 
入居者のリスク
管理状態が悪いので空室が増えている、悪質な賃借人がいる可能性
 
上記の説明をしても、金融機関側が納得するような説明を投資家自身が出来ない場合は融資の相談に消極的なままかもしれません。金融機関へのプレゼン方法や資料ひとつで対象物件への印象が全く変わることもあります。
 
ご自身で一棟物競売物件を購入した実績と経験があれば話は別ですが、そうでない場合には、やはり実績と経験を持つ不動産エージェントの力を活用して、金融機関側と上手に折衝していくのが賢明ではないでしょうか。
 
 
金融機関が競売物件に消極的な理由3:他の投資家からも相談を受けていた。
 
金融機関側は、ひとつの物件に対して基本的に一人(一社)にしか融資をすることができません。ですから、同じ融資案件を、複数の投資家を対象として審査部に持ち込むことはできません。
 
金融機関側との融資交渉を進める為の説明資料を揃えたものの、なかなか交渉テーブルについてくれない、あるいは話に興味を示してくれないという経験をした方もいらっしゃるかもしれません。
 
今は優良な一棟物不動産競売物件を、多数の投資家で争奪する時代です。そして金融機関の担当者も、大口融資案件をなんとか成立させたいと必死になっています。ですから、同一物件に関して、他の優良顧客から融資相談を持ち込まれている場合、相談には乗ってはくれるものの、どことなく対応が消極的になります。
 
優良な競売物件は、必ずといって良いほど競合が存在します。入札時に必要な数千数億の保証金は、基本的に現金で納付することになるので、日頃から資金準備ができていないと金融機関はまず相手にしてくれないでしょう。
 
 

 
金融機関は、融資希望者の資産、収入、実績、人柄(信用)をトータルで判断します。もちろん資産や収入が一番の判断材料になることは確かなのですが、それだけでは融資がおりないこともあります。当社では投資家に対し、物件の紹介と同じぐらい金融機関への融資交渉(金利等の条件含め)に重点を置いています。
 
 
次回は、激しい競争の中こちらを優先的に検討してもらうためにはどうしたらよいかについて記載したいと思います。