不動産投資ガイド|一棟物を狙う不動産投資ガイド

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  • 2011.5.14

第六回|一棟物不動産投資のリスク その5「まさか...編」

めでたく一棟物不動産を手に入れた後、考えられない「まさか...」という事態が発生してしまうことがあります。

売主側の作成したレントロール(賃貸借契約内容の一覧表)上ではほぼ満室であったのに、所有権移転後に、ほぼ全員退室してしまうという信じられないような事が起きたならばどうしますか?


販売資料に記載された賃貸借契約がほぼ全部解約された...

こんな「まさか」な事態が起こった場合、不動産担保ローン(融資)を利用して購入した方であれば、借金返済ができずに差し押さえになってしまうでしょう。

これだけ一棟物不動産の購入希望者がいる時代ですから、不動産の品質が悪くなく、それなりの利回りに設定すれば買主候補は現れます。もし、売主側の関係者が、相場より若干高めの賃料で売買成立前後数ヶ月限定で住んでいたならばどうでしょう。決して起こらない話ではありません。売主側が作成した資料が虚偽であったと証明できるでしょうか?

「そんなことありえないでしょう?」と思ってはいけません。これが一棟物不動産の現実です。もちろんこういった例は稀ですが、これから投資しようとしている一棟物のレントロールを100%信用するのは危険です。同一エリア、同一グレードの賃料相場を把握するなど自分で出来ることは可能な限り調べ、言葉は悪いかもしれませんが、売主側からの資料を疑うことから始めるものリスク回避になるでしょう。


新オーナーから敷金・保証金を回収するために退室時期をずらしていた...

競売開始決定がなされている一棟物不動産(特に事務所・店舗ビル)が任意売却になった場合、新オーナーに所有権移転後の数ヶ月間に入居者が一斉に退出することがあります。

差押えになった前オーナーは、お金がないので物件の維持管理に資金を投入していません。家賃含め建物の維持管理が怪しくなると、入居者側としては不安になり他のビルへ引っ越すことも検討するでしょう。その場合問題になるのが、預けていた敷金・保証金の回収についてです。商業ビルに入居する際、数百万円から億単位の敷金・保証金を預ける場合があります。お金に困っている前オーナーは、律儀に預金している訳がなく既に使ってしまっています。

入居者の立場に立って考えると、退室時期を遅らせて預けた敷金・保証金を新オーナーから回収(相殺)しようとします。結果的に、所有権移転後しばらくして複数の入居者から退室通知が届いてしまう可能性があるのです。

また利害関係が一致する入居者間で、回収や退室時期について密に打ち合わせされていることも考えられます。「これからは建物の維持管理にお金をかけますし、多少家賃を下げますから、そのまま入居し続けていただけませんでしょうか?」と新オーナーがお願いしても、時既に遅しです。


■賃貸借契約はされていても、入居者ほとんどが滞納していた...

賃貸借契約はされていても、実は滞納続きでさっぱり賃料収入が入ってこないということもあります。

例えば、「東京都心の駅近一棟物賃貸マンション、築浅、利回りが11%」

という販売資料がネット上に公開されていたとします。みなさんならどう思いますか?
「これはいい!」と飛びついた方は、一棟物不動産投資で失敗するリスクが高いかもしれません。

不動産業者が血眼になって一棟物不動産を探している状況において、こういった「おいしい物件」が一般不動産市場に出回ることはありません。一般不動産市場に出てくるということは何か訳があってしかるべきでしょう。おそらく入居者が滞納続きか、それに近い状況で売主側がほとほと困り果ててしまっていることが想定されます。もちろん違う理由もあるでしょうが、賃料の回収には相当な労力や費用を必要とするでしょう。


人生には、「のぼりザカ」、「くだりザカ」の他に「マサカ!」があると言われていますが、一棟物不動産投資では、よく考えれば「まさか」にはならない想定内のリスクがほとんどです。投資に関しては常にリスクを想定し、回避する心構えを持つことが大切になってきます。